「インフェルノ」

TOHOシネマズの割引券の期限が迫っているので、午後の用事までに帰宅できるようサクッと渋谷まで観にいきました。が、「インフェルノ」は割引料金800円では申し訳ないぐらいゴージャスな映画でした。

「神曲」の地獄篇が関係してるらしいので、以前kindleにダウンロードしてあった「神曲 -まんがで読破-」を電車の中でささっと読んでおきました。そのおかげでなんとなく冒頭から作品の世界に入りやすかったような。舞台となるフィレンツェの街が美しかった。個人的に若かりし日の思い出が詰まってる街なので、ポンテヴェッキオとかドゥオモの光景に、胸がキュンとしました。

ラングドン教授は“歩く博物館”みたいな知識の宝庫で、映画の中でも彼が博識を披露するシーンがちょくちょく出てきます。こういう人が身近にいたら翻訳中に史実を確認したりする必要が生じた時に便利だろうなあ、なんて考えてしまいました。

重厚な文化と歴史に縁取られた謎解きの楽しさが、なんだかとってもゴージャスな気持ちにさせてくれる映画でした。そして「字幕 戸田奈津子、監修 越前敏弥」という王道コンビネーションも、これまたゴージャスな印象。

ダン・ブラウンの著作もこのところ読んでませんでしたが、改めてどっぷりと謎解きの世界に浸ってみたくなりました。

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# by honyakusha | 2016-11-08 15:17 | 本・映画・舞台

「奇蹟がくれた数式」

インドの〈アインシュタインと並ぶ天才・ラマヌジャン〉を見出した英国人数学者。
2人が起こした奇蹟と友情を描いた感動の実話。(チラシより引用)

静かにじわじわとくる映画でした。友情がテーマのブロマンスものでもあるんですが、ジェレミー・アイアンズが演じる英国人数学者も、デヴ・パテル演じるラマヌジャンも、頭脳明晰ではあるけれど人間関係の構築はとっても苦手な学者肌な人達です。この2人が不器用にぎこちなく信頼関係を育んでゆく過程が静かに描かれていきます。

数学の世界を揺るがすレベルの発見を次々と重ねていくラマヌジャン。なんと独学で数学を学んできたと。ラマヌジャンがインドではなく英国の恵まれた環境に生まれていたなら、もっと早い時期からバリバリと研究をして数学界にもっともっと貢献できたはずなのに。大学に招聘されても学歴がなく身分も低いためにプライドの高い教授陣に拒絶され、孤独の中で情熱的に研究を続ける姿に、神様なぜですか?と問いたくなります。でもラマヌジャンは自分の境遇を嘆いたりすることはなく、自分の発見は神様が授けて下さるのだと、常に敬虔な心を失わないのです。(ヒンドゥー教徒です。)

字幕は松浦美奈さんです。「無限級数」とか「連分数」とか、音で聞いても私のような数学オンチにはさっぱりな言葉がたくさん出てくるので、こういう映画は字幕の効用が大きいと思います。第一次世界大戦中の英国の大学における数学の授業やインドの文化など、なんと高いレベルが要求される翻訳だろう、と圧倒されました。

不遇な中にあっても熱い思いを失わず、ひたすら研究し続けるラマヌジャンを見て、
恵まれた時代に生きる自分はいったい何をしてるんだ、と思わされました。仕事がどうのと言う前に、まずもっともっと勉強をしようと改めて心に誓ったのでした。

Bunkamura ル・シネマは観てみたい!と思わせる映画が多いです。鑑賞後、地下階にあるカフェ・ドゥ・マゴで1人余韻に浸るのがいい感じ。また行こうっと。

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# by honyakusha | 2016-10-27 10:32 | 本・映画・舞台

11年 その2

今日はルカの11回目の誕生日。ピカが生まれて、やったー!と記念撮影までして、やれやれと思ったところに「じゃ、2人目も頑張りましょう」と言われ、「ええー、続きは明日じゃダメですか?」と思ったあの日から11年。

ピカが何かと手がかかるので、ルカを育てるのはお父さんの担当という感じになってます。でも最近は母娘でお買い物に行ったりするのが楽しいのです。お母さんに顔が似てきたと言われるようですが、性格はあまり似ていない。私と違ってルカは女の子っぽいのです。読書するのも可愛い女の子が主人公の動物もの小説が多くて、推理小説とか歴史小説が好きだった私とは全然違う。

ミラクルたのしい! ハッピーお仕事ずかん

ドリームワーク調査会/西東社

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将来つく職業も私とは全然違うと思うので、「
ミラクルたのしい! ハッピーお仕事ずかん」という本をプレゼントに選んでみた。国を挙げて女性が活躍する社会を目指してるとは言え、厳しい現実も報道されてる昨今、出来ることならミラクル楽しくってハッピーな仕事について欲しいと思います。私は今の字幕翻訳の仕事を、魂が喜ぶ仕事だなあ、と感じてるので、どんな分野であれ、ルカがハッピーに働いてくれるようになったら、母もきっとミラクルハッピーだと思います。
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# by honyakusha | 2016-10-18 15:21 | 双子

11年

今日はピカの11歳の誕生日。0歳から1歳まではすごく長かったけど、10歳から11歳まではあっという間に感じた。でも新生児が1歳になるのと同じぐらい劇的な成長を、ピカはこの1年で遂げたと思う。

去年の今頃は毎日のように学校から電話がかかってきていた。お友達とのトラブルや、授業を受けずに図書室や職員室にずっといるといった話を先生から聞くたびに「どうしてみんなと同じように出来ないの?」と母は悲しんでいた。でも、あの頃ピカも、なぜ誰も自分を理解してくれないのかと苦しんでいたんだと思う。

周囲の言葉に深く傷つき、図書室にバリケードを築いて立てこもった日、ピカはアメリカでギフティッド教育に携わってきた先生と出会った。すごく寛容な先生にいろんな思いを受け止めてもらいながら、一緒に出掛けたり勉強したりするうちに、ぐちゃぐちゃだった心が少しずつ整い始めた。

今では、去年一昨年の自分を振り返って、あの頃の自分と今の自分を比べられるぐらい、客観的に自己評価できるようになった。そんなピカを見ながら母も、「みんなと同じ」じゃなくていいんだと思える自分は、この1年で母として少し成長できたと思う。

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# by honyakusha | 2016-10-17 16:04 | 双子

「ジェイソン・ボーン」

久々に映画を観に行けました。「ジェイソン・ボーン」。楽しかった~。

ポール・グリーングラス監督のドライな演出、マット・デイモン=ジェイソン・ボーンとしか思えないはまりっぷり、そしてヴァンサン・カッセルの安定した悪役ぶりは、どれも期待通りでした。私はマット・デイモンという人は稀代の名優と思ってます。この人の、表情だけで心の動きを見事に表現する演技力は、「オデッセイ」みたいに、ずーっと宇宙船内のシーンばかり続くような映画では特に際立っていました。今回は最初から最後まで、楽しげなシーンは全くなく、ジェイソンの感情も苦悩とか悲しみとか怒りとかしかないんですが、そんな中でもこんなに表情のバリエーションがあるのねえ、と思いながら見てました。

最初から最後までずーっとハラハラしっぱなしで、文字どおり手に汗握る展開が続くんですが、さあ、いよいよ最後のカーチェイスが始まる~という瞬間には思わず立ち上がって「行けー!ジェイソン・ボーン!!」と叫びそうになりました。

ジェイソン・ボーンとヴァンサン・カッセル演じるエージェントだけが超人的に強くて、それ以外のCIAエージェントなんかがあまりにへなちょこで、何人束になってかかってもあっという間にジェイソン・ボーンにやられてしまうのが笑えます。ヒロイン役は、もう少し年齢が上の方がいいような気もしましたが、「新人」という設定だから若くていいのか、いやそもそも新人がいきなりCIAでこんなに責任ある仕事をさせてもらえるものなの?とか、いろいろあるけど、とにかくスカッと楽しめたし、戸田奈津子先生の字幕も堪能できて、大満足でした。

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# by honyakusha | 2016-10-14 18:08 | 本・映画・舞台