病院で読む本

病院で読む本はちょっと苦しい本がいい、と去年の入院で感じた。あの時は絶食の時間が長かったのでものすごーくお腹がすいた。でもその時病室で読んでいた遠藤周作著「侍」に登場する江戸時代のキリシタンたちは、とんでもなく苦しい日々を送っていたので、多少の空腹なんて何でもないな、と思えたのだった。

今回の入院に持っていった本たちの中から

大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫NF)

スティーヴン キャラハン / 早川書房


少しでも気を抜いたらすぐ死が待っているという過酷な状況。筆者はなんと2か月半、ものすごいストレスにさらされながらも常に想像力を駆使して、生き抜くために食料や水を得るための道具や装置を考案し続けます。ひどいケガを何度もしながら手当てをする薬すらなく傷は海水で悪化する一方。やがて救命ボートにも穴が開き、乏しい資材を使って穴を修理しても徐々に空気が抜けてしまうため常にポンプで空気を送り込み続けなければいけません。ろくに食べてないのに眠る暇もない。そんな中サメは襲ってくるし嵐も起きる。もうこれ以上の試練はないでしょう、という環境なのに、この人は明るいのです。そして、絶望的な状況に出会うのは自分にとって幸運な学びの機会である、とまで言うのです。驚くべき精神力と楽天ぶりに脱帽。

Lucky Man: A Memoir

Michael J. Fox / Hyperion


私が持ってるLucky Manはマイケル本人の朗読によるオーディオブック(CD)なので、消灯後や早朝の暗い病室でイヤホンで聞きました。この人も非常に前向きな人です。不治の病に冒され打ちのめされている時も、誰にも気づかれずにカメラの前で明るいキャラクターを演じ続けなければいけない苦しみはいかばかりかと思う。でも彼もまた、自分は病気を得たことで多くの愛や学びの機会を与えられた“幸運な男”と言うのです。

スティーヴンとマイケルに共通しているのは、状況を冷静に分析し、今自分に何ができるか考え行動するという点。強大な試練にさらされると、大きなストレスに対処するだけで精いっぱいになりがちだけれど、そこで腐っていてはいけない。限られた時間と資源の中でどうやったら前に進めるかを考えるためには、前向きな気持ち、きっと何とかなるという楽観的な視点、自分を信じる気持ちがとっても大事なんだな。

彼らのポジティブな生き方にすごく励まされました!

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by honyakusha | 2013-02-01 11:09 | 本・映画・舞台 | Comments(0)
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