「奇蹟がくれた数式」

インドの〈アインシュタインと並ぶ天才・ラマヌジャン〉を見出した英国人数学者。
2人が起こした奇蹟と友情を描いた感動の実話。(チラシより引用)

静かにじわじわとくる映画でした。友情がテーマのブロマンスものでもあるんですが、ジェレミー・アイアンズが演じる英国人数学者も、デヴ・パテル演じるラマヌジャンも、頭脳明晰ではあるけれど人間関係の構築はとっても苦手な学者肌な人達です。この2人が不器用にぎこちなく信頼関係を育んでゆく過程が静かに描かれていきます。

数学の世界を揺るがすレベルの発見を次々と重ねていくラマヌジャン。なんと独学で数学を学んできたと。ラマヌジャンがインドではなく英国の恵まれた環境に生まれていたなら、もっと早い時期からバリバリと研究をして数学界にもっともっと貢献できたはずなのに。大学に招聘されても学歴がなく身分も低いためにプライドの高い教授陣に拒絶され、孤独の中で情熱的に研究を続ける姿に、神様なぜですか?と問いたくなります。でもラマヌジャンは自分の境遇を嘆いたりすることはなく、自分の発見は神様が授けて下さるのだと、常に敬虔な心を失わないのです。(ヒンドゥー教徒です。)

字幕は松浦美奈さんです。「無限級数」とか「連分数」とか、音で聞いても私のような数学オンチにはさっぱりな言葉がたくさん出てくるので、こういう映画は字幕の効用が大きいと思います。第一次世界大戦中の英国の大学における数学の授業やインドの文化など、なんと高いレベルが要求される翻訳だろう、と圧倒されました。

不遇な中にあっても熱い思いを失わず、ひたすら研究し続けるラマヌジャンを見て、
恵まれた時代に生きる自分はいったい何をしてるんだ、と思わされました。仕事がどうのと言う前に、まずもっともっと勉強をしようと改めて心に誓ったのでした。

Bunkamura ル・シネマは観てみたい!と思わせる映画が多いです。鑑賞後、地下階にあるカフェ・ドゥ・マゴで1人余韻に浸るのがいい感じ。また行こうっと。

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by honyakusha | 2016-10-27 10:32 | 本・映画・舞台
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