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思わぬ事態=accident


ルカの誕生日に近所の森林公園でLove Babies Photo Projectのnoccoさんに記念の家族写真を撮ってもらった。広い公園内を散策するのはロビンのリハビリに丁度いい感じだったので、2日後の土曜日にはおにぎりを持って再訪。適度な湿り気のある地面は歩きやすいみたいでロビンも調子よく歩き、楽しいひと時が過ごせた。

夕方はTVで「おかあさんといっしょファミリーコンサート」を見て双子はご機嫌となり、ピカはお風呂上りにハダカのまま給水ポンプをマイクに見立てて「コーコーコー♪」という自作の歌を大声で歌ったりしていた。パジャマに着替えた2人は仲良く並んで絵本を見ており、後は寝るだけ。私は大人用の夕食にパスタを料理し、茹で上がったリングイーネをソースとからめていた。と、その時……。ピカが激しく泣き出した。仲良くしてたのにまたルカに何か取られたのかな、と思いながらフライパンをあおっているとリビングを覗いた夫が「わーっ、ヒカリ君!いったいどうしてどうして、あああああ~!」と叫んだ。

そこにどんな怖い光景が待っているのかと思うとリビングを覗きたくなかったけど、ちらっと見てみる。やはり。ピカが口から大量の血を流しながら泣いていた。パジャマの胸から腹の部分が血で真っ赤に染まっている。私はそのまま洗面所に走り止血用のタオルを用意しながら「こっちに連れてきて!」と大声で呼んだけど、ただならぬ気配を察知したロビンがワンワン吼えるしピカは大声で泣いてるし夫は「ああああ~!」と叫んでいて聞こえないらしい。リビングの入り口まで呼びに行き、ピカを洗面所に連れて行き口をしっかりとタオルで押さえた。自分の体がガクガク震えてるのが分かったけど、ピカはよく転んだ拍子に唇を切って血が出ることがあるから、今回もそうだろう、唇は血がかなり出ても大抵はすぐ治る部位だからおそらく大丈夫なはず、と自分に言い聞かせた。

少し血が収まったので傷口をよく見てみると…あああああ、これは・・・・思ったよりも重傷だった。思い出しただけでも痛くて詳細は書けないけど、勢いよく転んだ拍子に下唇をイスにぶつけて自分の歯で傷つけたと思われる。とにかく、このままにしておくのはマズイと思われた。夫は「早く、救急車だ」と言ったけど、私は「ちょっと考えさせて」と言った。

昨年暮れにピカがほっぺに切り傷を作ったのをきっかけに、外傷に対する処置についていろいろと調べた。そして、外傷に対しては従来のような消毒・縫合・ガーゼという治療ではなく、患部を清潔にして湿潤状態を保ち自然治癒を待つことにより最も早くきれいにキズを治すという湿潤療法について知ったのだった。その後も双子はすり傷などよく作ったから、この治療法の第一人者でもある夏井 睦先生にメールで問い合わせたりして、絆創膏など貼っても互いにはがしてしまう幼い双子に湿潤状態を保つ方法も実践してきた。だから今回もあわてて土曜の夜に急患でどこかの医者にかかって旧態依然とした消毒・縫合・ガーゼという手当てをされることだけは避けたかった。

もう1度、新しい創傷治療のサイトをよく読み、ピカのキズをよく観察する。かなり痛々しいが出血は止まってるし、ピカは早くもケガをした事など忘れたみたいにケロッとしている。このキズはきっと水道水できれいに洗って清潔を保ち、そのまま自然治癒させるのがいいはず、と思った。縫合すべきなのでは、と言っていた夫も、サイトを読んで納得してくれた。

でも本当に何もしなくていいのかと心配もぬぐいきれず、夏井先生に【緊急】と件名につけて問い合わせのメールを送っておいた。まあ、土曜の夜遅くなので、すぐに返事がもらえるとは思わないけど。

翌早朝、夏井先生からお返事が来た。やはり口の外傷は縫合しないほうがいいとのこと。きれいに洗って1日5~6回ワセリンだけ塗り自然に治るのを待つべし、ということだった。自分の判断が間違っていなかったことにホッとしながらも、やはりこのキズの状態だと医師に診察してもらうべきと思い、月曜にどの病院に行くのがベストかを調べた。急な仕事を受けていたので、土曜の晩と日曜は翻訳に専念する予定だったのだけど、まったく仕事にならず。

創傷治癒センターのサイトなどを参考に、信頼できそうな形成外科医を選び月曜の朝一番で受診した。ピカはすでに元気一杯で、広い病院の待合室でもものめずらしげにうろちょろ歩き回っている。診察の結果やはりこのキズは自然治癒を待ち、半年以上様子を見てその後傷痕が気になるようであれば改めて手術して目立たなくするのが良いとのことだった。化膿を予防する抗生物質だけ処方された。

1週間後の今もまだ痛々しい状態だけど、ピカはキズまったく気にしていない。自分では見えない部分だから忘れてるみたいだ。ゴハンをスプーンに山盛りにして口にぐいっと押し込もうとするので、ああ、そんなことしたらキズが~イタタタタ…と見てるほうがハラハラしてスプーンのゴハンを減らそうとするとピカに怒られてしまうのだった。

それにしても毎日毎日ハラハラさせてくれるピカ。今後双子を無事に育てていけるのだろうかと不安になる。でも、ある程度のケガなどはあっても不思議ではないのだから、覚悟を決めて、いざと言うとき冷静に対処できるよう心の準備をしておこう。

公園でののどかなひと時。事件はこの夜起こった・・・。いやー、いつ何が起きるか分からないものです。
思わぬ事態=accident_e0122514_14242519.jpg

by honyakusha | 2007-10-25 13:27 | 双子 | Comments(5)
Commented at 2007-10-28 21:41
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by coco at 2007-10-29 03:46 x
ちぇりさん
この夏井先生のサイト参考にさせてもらいます。ありがとう。
とっさの母の判断、やっぱりすごいよね。心臓ばくばくなのにどこかで落ち着いている、これは母でないとできないことだと思います。
でもこどもの傷に対する反応ってすごいよね。細胞の動きが大人とちがうんだ、かなり。
お母さん、あっぱれ!でした。
Commented by sugar at 2007-10-29 14:39 x
一瞬、固まりました。そのご判断、対応力、本当に凄いですね。尊敬します。
男の子を育てていると、一生に3回くらい心臓が止まりそうなくらいヒヤっとさせられることがあるそうです。その1回にカウントされてそうですね。
然しながら日常の何でもない時に、そんな一瞬が潜んでいるなんて...。
ヒカリくん、くれぐれもお大事になさって下さいね。
我が家のやんちゃ小僧たちも多いに当てはまること、この夏井先生のサイト、私も参考にさせて頂きます。
Commented by gencoco at 2007-10-29 20:11 x
ひや~!!ビックリです。
読んでいるだけでも痛々しくて目を閉じたくなってしまったのに、ちぇりさんの冷静さ、判断力、とても尊敬してしまいます。
私も間違いなく「救急車~!!!」と叫んでいたと思います・・・。
ウチは男の子のゲンより、女の子なのにココロの方が心配で。。夫には「嫁に行くまでに、10針までと骨の一本ぐらいは許して下さい。」と言ってあります(笑)
ひかりくん、お大事に・・・。
Commented by honyakusha at 2007-10-30 17:21
cocoさん、
私はもともと血とかすごく弱いのだけど、母はそんなこと言ってられないもんね。
グングン成長してる時期だけにどんどん治ってきてるので、良かったです。

sugarさん、
本当に心臓止まりかけました。もう勘弁と思うけど、あと2回あるのね。
絵に描いたような幸せな土曜の夜が一瞬で悪夢に変わってしまうと
身をもって体験しました。
夏井先生はこの治療法を積極的に啓蒙されていて、そしてメールにも丁寧に対応してくださって、とてもありがたいです。サイトぜひ参考にしてくださいね。

gencocoさん
お見舞いの言葉ありがとう。
ココちゃんの方が心配って、分かります。
いろいろとできるようになったなーと思ってもまだまだこないだまで赤ちゃんだった子供たち。目を配らないといけませんね。
お互い気をつけようね。
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