アメコミの翻訳

最近ブログを書いているのか聞かれたので、あわてて書くことにしました。
ええと…

こないだ短編コミックの翻訳をしました。アメコミというのは日本のマンガと全然ちがって、分業で作られています。今回の場合はクレジットに、原案、ライター、作画、カラリスト、レタラー、表紙、エディターと7人もの名前がありました。原案を基にライターがセリフを書くみたいです。文字だけ書くレタラーがいる、というのも、手書きのセリフ文字にも個性があるアメコミの特長ですね。同じ作品でも各エピソードでそれぞれの担当者が違ったりします。へえええええ。

セリフ書きが専門のライターが書いただけに、アメコミのセリフはすごく凝っていて、隠喩が使われていたりして、訳すのが難しかった…。「ドラゴンボール」みたいにすらすら読めなくって、「はみだしっ子」みたいな感じ(?)。分かりにくいたとえですが。ともかく、テキスト翻訳と同じようなつもりで気軽に引き受けたけど、字幕よりよっぽど時間がかかりました。でもすごく勉強になったよ。そしてまた少し経験値が上がった気がしたのでした。

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# by honyakusha | 2015-11-15 15:33 | 仕事・趣味

「ステーキ・レボリューション」

二子玉川にできた映画館に行ってみたいけどなかなか行く機会がないなあ、と思っていたら、ちょっと気になる映画が公開され、駒澤の歯医者の帰りに寄ればちょうどイイ!ということで、初二子玉シネマしてきました。気になる映画、それは「ステーキ・レボリューション」、世界一おいしいステーキを求めて世界をめぐるドキュメンタリーです。

「麻酔を使ったので、食事は1時間ぐらい後にしてください」と11時に歯医者で言われ、そのまま何も食べずに11時40分からの上映を見たのです。「映画史上最もお腹が減るドキュメンタリー」を。これはかなり無謀でした。おまけに初めての劇場で、自動券売機の画面にタッチして座席を選ぶという経験も初めてだったので、よく確かめずに座席指定してしまい、後ろの方の席のつもりが、実はすごく前の方の席でした。スクリーンに映し出される巨大なお肉!目の前でジュウジュウと音を立てて焼かれるステーキ!切り分けられる絶妙の焼き加減のお肉!もう匂いまでしてきそうな、手を伸ばせば届きそうな距離でそれを見つめるはらぺこあおむしな私。。。

冒頭からとっても美味しそうなステーキが次々と紹介されて、どれも世界一と言ってもいいんでは?という感じなので、いったい世界一はどれだけ美味しいのか?と、途中からはお腹が空いてることも忘れるぐらい夢中で見てしまいました。牛を育てている各国の畜産農家の皆さんは、それぞれ大変な情熱とそれぞれのポリシーを持って牛を育てています。そのポリシーは人それぞれだけど、どのポリシーにも納得させられる部分がありました。

以前、「TPPでお肉が安くなるからうれしいよね」と友人に言われた時、ちょっと複雑な気持ちになりました。、私自身は、コストをかけずに大量生産されたお肉を買うのは抵抗があります。この映画に登場した、スペインで15年ぐらいかけて1頭を育てる農家や、スウェーデンの牧場で理想の和牛を作るために、胚の段階から育て始めたMBA博士は、どれだけコストがかかろうと長い時間をかけて、丁寧に牛を育ててるのが伝わってきました。まさに、命をいただく、という感じ。

ランキング入りしたお肉はどれもはっきりとした特徴があり、その個性をどう評価するかで、順位は変わるのだろうなと思いました。どうやって育てれば世界一おいしくなるかは、育てる人の価値観を反映してるということかもしれない、と思いながら見てたので、最後の字幕で「おおー、やっぱりそうか」と思いました。

原題「STEAK (R)EVOLUTION」に表現されてる、牛を育てる人々のj常識を覆す熱い思いがジワジワジュウジュウと伝わってくるドキュメンタリーでした。

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# by honyakusha | 2015-10-24 21:43 | 本・映画・舞台

いつもと違う仕事

すごく久々に、字幕以外の仕事をしました。
記者会見の内容をそのままベタ訳する作業。早朝に受け取った映像をどんどん訳して昼に半分納品、夕方残りを納品という大急ぎの案件だけど、そう言えば、字幕の仕事をする前はこういう仕事が中心でした。久しぶりにやってみない?と長い付き合いのコーディネーターさんから電話。さっき特典の字幕を納品して、よし、明日は休むぞー、と思ってたところだったんだけど。

オンサイトでスポーツニュースのボイスオーバー原稿を作ってた頃は、ヘッドフォンと電子辞書とシャープペンと消しゴムを持って職場に入り、その場で手渡されるVHSのビデオテープを再生しながら原稿用紙に手書きしていました。9時半頃から作業を始めて、2時ぐらいには声優さんたちが来るため、それまでに仕上げなければと毎回必死で英語を聞き取っては原稿用紙のマスを埋め、小声で尺合わせをしていました。休憩もないまま一気に4時間ぐらいで訳し終える作業は大変だったけど、毎回、やったー!という達成感がありました。

字幕の仕事って本編は1000メートル持久走、監督コメンタリーは400メートル走、特典は200メートルハードル、って感じだけど、スクリプトなしの映像ベタ訳即日納品は100メートル全力疾走という感じ。たまにやると気持ちいい。

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# by honyakusha | 2015-10-17 11:53 | 仕事・趣味

「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」

やっと見に行けました、「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」。評判通りの面白さでもう大満足です。

作品全体の娯楽性の高さはもちろんなんですが、私が最もワクワクしたのはバイクアクションのシーンです!実は私、バイク好きなのです。20代の頃は東京から鹿児島までツーリングしたこともあるし、静岡で塾講師をしていた頃は250ccのバイクで通勤し、職場でスカートとパンプスに着替えてから教壇に立っていました。今後バイクに乗ることはないとは思うけど、バイクでしか味わえないあの、空気と一体化して街を、山を、海岸を走り抜ける爽快感を今も懐かしく思い出します。

で、そんな感覚が思わずよみがえった「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」なのです。
トムのハングオフスタイルはとんでもなくカッコよかったですが、更にカッコよかったのが彼から猛スピードで逃げる女スパイのイルサ。まさに女性版イーサン・ハントという感じで、レギュラーとして再登場してほしい魅力的なキャラでした。使われていたバイクが比較的小ぶりだったのも良かった。2台のトラックの間をすり抜けたり高低差のある山道をギュンギュン走るシーンが臨場感たっぷりで、わあ、やっぱバイクいいなあ、と思ってしまった。

エンドクレジットがすごく長かったです。どれだけ多くの人がどれだけ多くの時間をかけてこの映画を作ったかがということが伝わってきて、なんかそんなところにも感動してしまいました。

家で「6才のボクが、大人になるまで」と「博士と彼女のセオリー」をDVDで見て、その翌日に劇場で「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」を見たのですが、この3作はどれも全然違う意味において非常に意欲的な作品でした。

今までにない作品を作りたい、という気持ちが伝わってくるいい映画を3つも立て続けに見られて幸せだなあと思いながら、5速MTのエンジンをギュンギュン回しながら安全運転で帰りました。

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# by honyakusha | 2015-09-18 05:50 | 本・映画・舞台

「おじいちゃんが孫に語る戦争」と「ワルキューレ」

おじいちゃんが孫に語る戦争

田原 総一朗 / 講談社

図書館で見つけて、このところ戦争関連の質問の多い息子が読むかな、と思って借りました。日本がなぜ勝ち目のない戦争を始めたのか、とても分かりやすく書かれていて、私が勉強になりました。田原さんは小5の双子のお孫さんのために書かれたそうですが、中学生ぐらいになればもっとよく理解できそうかな。

少年時代の田原さんの夢は「お国のために戦って名誉の戦死をとげること」だったそうです。そういう教育を受けた世代なのです。息子にとってはこれがすごく衝撃的だったみたい。

「日本は正義のために戦っている。悪い国と戦って名誉の戦死をとげよ」と教えられていたのに、戦争に敗けた途端、「戦争は悪いことなのだ。戦争が起こりそうになったら反対の声をあげよ」と正反対のことを教えられ、田原少年は先生に言われるままに教科書を墨で塗りつぶしながら、大人のいうことや新聞に書かれていることを、簡単に信じたらいけないな、と思ったそうです。それは本当なのか、正しいのか、自分で調べ考えて、自分で判断できるようにならなければ、という気持ちが後にジャーナリストという職業を選ぶ元になったとのことでした。

この本では二二六事件のことも解説されていたのですが、これをを読んだ日に、たまたま録画してあった映画「ワルキューレ」を観ました。
そしたら、なんだかドイツで起きた暗殺計画と二二六事件はすごく似ている気がしました。

ワルキューレ プレミアム・エディション [DVD]

ポニーキャニオン


世論の流れには強い力があり、ぼんやりしているとあっという間に流れにのみ込まれてしまいます。日本もドイツも戦争に突き進んでいった背景には、一般大衆が情報を取捨選択し、吟味し、何が正しいのか判断できない時代だったこと、そして熱狂的とも言える世論の流れが関係しています。今、幸いなことに多様な価値観や情報を得る機会を与えられている時代に生きる私は、よく見聞きし考えて、正しいことを見極めることの大切さ、そして「正しい戦争なんてない」という田原さんのメッセージを子供たちに伝えていこうと思います。

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# by honyakusha | 2015-08-15 17:18 | 本・映画・舞台