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耳=ear

日経新聞土曜版に「突発性難聴」に関する記事があった。最近よく耳にするこの病気、他人事ではありません。私も7年前になりました。

夜、BBCで火星に探査機が着陸したニュースを見た後、なんだかずいぶん大きな耳鳴りがするなぁと思いつつ床に就き、朝、目が覚めたら何かが変。ロビンの吠える声がいつもと少し違って聞こえるような…と思いながら夫を仕事に送り出し、さて、私も通訳学校へ行こうか、と思っていたら電話がかかってきた。受話器を取って左耳にあてると「?」何も聞こえない。無言電話かな?持ち替えて右耳にあてたらちゃんと聞こえる。受話器の故障?いやいや、私の左耳が聞こえてないんだ、とそこで気づいたのでした。

たいしたことないと思うけど一応病院へ寄ってから通訳学校へ行こうと思って、軽い気持ちで診察を受けたら「突発性難聴だと思います。治る確率は30%。すぐ入院してください」と言われた。そう言われてもすぐに入院なんてしたくなかったし、当時はこの病名があまり知られてなかったため、事態の深刻さに気づかず、このまま入院はちょっと…と言って点滴だけ受けていったん家に帰ったまぬけな私でした。

家に帰ってからネットで調べて分かったのは、この病気を発症してすぐに治療をせずに放置したため、聴力が回復しないまま生涯耳鳴りに悩んでいる人が大勢いること、入院治療で治らず東洋医学に頼って鍼治療を長く続けている人も大勢いることなど。鍼の治療院に電話してみたら「今日のうちに入院できる病院を探して治療を始めたほうがいいです。」と言われた。あわてて病院を探し、無理を言って即日入院させてもらった。

私の場合、聞こえなくなった当日に治療を始められたおかげで、2週間の入院治療で無事に聴力は回復した。左耳が完全に聞こえなくなっていたのはほんの数日間で済んだけど、やはり片耳が聞こえないのは不便だな、と思った。普通に生活することが不可能なわけではないし、たいていの仕事はたぶん支障なく出来るけど、耳をよく使う映像翻訳の仕事が今ほどストレスなく出来るわけではないと思う。あの時、事態の深刻さに気づいて本当によかった。すぐに入院するよう勧めてくれた鍼治療院の方や、金曜日の夕方だから月曜まで入院は受け入れませんと何軒もの病院に断られたのに、今から来てもいいですよ、と言ってくれた横浜の病院には今も感謝している。

突発性難聴の原因はウィルス感染やストレスが考えられるけど原因は不明らしい。でも私の場合、通訳学校の会議通訳コースと放送通訳コースの両方に通って熱心に勉強していた頃だったから、毎日自宅や地下鉄の中でもイヤホンで英語のスピーチをずっと聴き続けて、相当に耳を酷使していたことが、もしかしたら原因になっていたのかもしれない。その後は会議通訳はやめて、自分に向いていると感じた放送通訳だけ続けることにした。

今もイヤホンして仕事ながら、左耳が聞こえないとドキッとする。それはたいていプラグの接触不良なのだけど。でも1度なった人が再発しないわけではないので意識して耳を休ませるようにしている。耳、大事にしましょう。

by honyakusha | 2008-02-10 07:34 | 仕事・趣味 | Comments(0)
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